ヴィンテージ・スタインウェイのおはなし:⑨ 坂上麻紀

最後に,No.104611に使用されているその他の金具類をご紹介いたします。

目立つところから,最初はトップ・ヒンジです。写っている両方ともトップ・ヒンジというようですが,本来,呼び名の区別はあったはずです。色は金色(真鍮色:しんちゅういろ)ではなくホワイトです。

 ネジはマイナス・ネジです。プラス・ネジは第二次世界大戦中,アメリカで発明されたものですから,古いピアノの場合,マイナス・ネジの使用は当然のことです。

次に目立つのはライヤ・ボックス前面のペダルとペダル・プレートです。これもホワイトになっています。

 時代を感じさせられるのはライヤ・ボックスがフルカバー式となっていることです。

ロッドもホワイトになっています。後ろは開放されている方が整備しやすいでしょうが,微調整はロッドの上端で行いますからフルカバーでも大した支障はありません。

 最後はキャスターです。もちろん,色はホワイト。

今のフルコンのキャスターのようにダブルでベアリング入りといった重構造のものではなく,ごくシンプルなキャスターです。床の色が映っているので実際より赤みを帯びて見えています。